2015年7月27日月曜日

斗栱(ときょう)について

斗栱(ときょう)について
「斗」と単純に言われると日本の量の単位を想像されると思います。「とます」斗の下の単位の升の10倍です。建築用語では音で「ト」と呼びます。これは写真に示すように主に柱の上に取り付け小屋組みを支える台の役割をします。柱の木口の面積をこの斗によって大きくし、背負う力を分散しているものと思われます。かなり複雑なものですが、木の加工のし易さとその特徴を生かした技ではないでしょうか。又全体の意匠としても重厚感を出しています。名称としては大きく分けて「大斗」と「巻斗」に分けられます。大斗は主力で柱等に直接繋ぎ、更に取り付ける場所と位置により二つ斗、三つ斗、平三つ斗、出三つ斗のように様子が変わります。これ等「斗栱」の詳細は次回紹介します。



木鼻(きばな)2

木鼻については色々なものがあって簡単には説明が難しいと思います。先回にも記したように十二支の動物や植物等を彫刻にしたものが多く、これらも時代により変化しています。




懸魚(げぎょ)2

先回取り上げた懸魚について少々詳しい説明をします。小屋の破風の拝み(破風の合わせ目で屋根の頂点〈中心〉)につける懸魚を本懸魚と言います(写真参照)。母屋(桁)の木口を隠し、お化粧するものを脇懸魚(降り懸魚)と言って大きく分けてこの二つです。又、本懸魚の両袖にお化粧のために取り付ける鰭と呼ばれる彫刻もあります。


2015年7月19日日曜日

木鼻(きばな)について

木鼻(きばな)とは、、、
頭貫が柱から突き出している先端に色々な形で彫刻が施されているものを言います。彫刻そのものと言えるようなものが多く、何物をも寄せ付けないような獅子や龍の彫刻が見られます。




参考サイト
http://www.eonet.ne.jp/~kotonara/u-bunkatu-3.htm

懸魚(げぎょ)について

懸魚(げぎょ)とは、、、
神社仏閣の屋根の妻方向にある破風の下とその下段の左右にある飾りのこと。火除けのまじないとして火に弱い木造の建物を火災から守るためにあります。この名称の由来は防火ということから水にちなみ魚の尾の形を表したものでした。後に動物や植物を象ったものも多くみられるようになりました。これ等の彫刻はその施主の権威と贅の象徴でもありました。



参考サイト
http://www.gegyo.sakura.ne.jp/whats_main.html

2015年6月28日日曜日

日本の伝統建築を守りましょう!

私は昭和11年生まれ、伊豆の修善寺で50年以上設計の道を歩んできました。数年前、引退してしばらく仕事を休んでいましたが、昨年元箱根のお寺さんのご依頼をいただき、これをきっかけとして再開することにしました。1200年以上の歴史を誇る修禅寺のおひざ元、修善寺温泉という土地柄からか、旅館や寺社仏閣の仕事に数多く携わってきたのですが、最近では日本建築の伝統を守るこれらの建築物は特殊なものとして扱われており、修繕や建て替えを頼むところがなくて困っているというお話をよく聞きます。これも時代の流れで仕方のないことだとは思いますが、とても寂しく感じます。古き良き日本の伝統文化を守る一助になればという思いから筆を執ることにしました。少しでも未来を担う皆様のお役に立てれば幸いです。